──その「キラーズ・フー・アー・パーティイング」には、「イスラム教徒が嫌悪されるなら、私はイスラム教徒になる、イスラエル人が投獄されるなら、私はイスラエル人になる」という歌詞が出てきます。どんな気持ちで書かれたのですか。怒りをこめたのでしょうか。

 怒りではなく、愛をこめました。世界を断片的に見ることはしたくありません。私はこの大きな世界の、広い宇宙の一部として自分は存在すると思っています。私の魂は、すべての人々とつながっている。

 それなのに、さまざまな理由をつけて人間を分類したり、レッテルを貼ろうとする人がいる。自分を守るために、人々を分断しようとする人がいる。それなら、私は彼らが嫌うものとなってその前に立ちはだかり、真っ向から攻撃を受けようと思う。誰かが苦しんでいるなら、その苦しみを私も感じたい。一緒に苦しむことは、団結の行為だと思います。私には人類としての責任があるし、全人類を思いやることは義務だと感じています。

──現在の世界をとりまく状況について、どう感じていますか? 怖い、うんざりしている、怒っている……。

 そのすべてです。怖いと感じているし、今、この世界で起こっていることに動揺もしています。でも、だからといって希望は捨てていません。未来にはさまざまな可能性があると思います。自分のなかにある怒りや不満を喜びあふれる形で表現し、人々を触発していきたいし、そうやって対処するべきだと思う。怒りや不満だけでは、世界は変えられないですから。

──「アイ・ライズ」という曲には、17人が亡くなった米フロリダ州のマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校銃乱射事件の生存者であり、銃規制運動の活動家、19歳のエマ・ゴンザレスのスピーチが入っていますね。#MeTooムーブメントをはじめ、声を上げる若い女性が増えています。女性の地位は向上したと思いますか? また、自分が若い世代に影響を与えたと感じますか?

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