離乳食は、育児書どおりに進まなくても焦らなくていい (写真:gettyimages)
離乳食は、育児書どおりに進まなくても焦らなくていい (写真:gettyimages)

 生後5、6カ月になるとスタートするのが「離乳食」。多くの方は、これまでの人生の中で意識的に「離乳食」に関わることなく親になった人が大半ではないでしょうか。保育士の私でさえ、離乳食の基本をきちんとは知らず保育をしてきました。

 離乳食にしっかり目を向けたのは、長男の離乳食がスタートしたとき。長男が離乳食を食べてくれなかったことがきっかけになり、離乳食に興味を持ちました。そして、離乳食を学ぶうちに「離乳食の奥深さ」を知り、離乳食の進め方や作り方の基本を知るだけで、迷いが少なくなりました。今回は、知ればスムーズに進めることができる離乳食の話です。

●離乳食とは?

 2019年3月に授乳・離乳の支援ガイドが改定されました。その中に、「離乳とは、成長に伴い、母乳又は育児用ミルク等の乳汁だけでは不足してくるエネルギーや栄養素を補完するために、乳汁から幼児食に移行する過程をいい、その時に与えられる食事を離乳食という」と書かれています。乳汁を「吸う」から食べ物を噛んで飲み込み、必要な栄養を身体に取り込んでいく「食事の練習期間」が離乳食なのです。

 そもそも、どうして赤ちゃんに離乳食が必要なのでしょうか?その理由は大きく分けて3つ。
・母乳やミルクだけでは赤ちゃんの成長に必要な栄養が不足するから
・咀嚼、手先の器用さなど身体機能が未発達だから
・内臓機能が未発達だから

 赤ちゃんは、生まれ持って「おっぱいを吸う」能力を持っています。しかし、食べ物を噛んで飲み込むことはできません。また、おっぱいを飲んだことしかない赤ちゃんは、内臓機能も未発達。そんな未発達な赤ちゃんが、将来、私たち大人と同じように固形の食べ物で栄養を取れるようにするために、離乳食を食べる必要があります。

●離乳食期の親の7つのこころえ

 離乳食をスタートする前に、7つのこころえを読んでみましょう。これは、私が全て母親としてできなかったこと。だからこそ、お母さんお父さんが頑張りすぎないために伝えます。
1.育児(離乳食)は教科書通りじゃなくても大丈夫!
2.よその子と比べなくて大丈夫!
3.離乳食は食事の練習をする時期
4.一歩下がっても大丈夫!
5.栄養バランスよりも楽しい食事を
6.「まあいいか」でOK!
7.赤ちゃんも親も50点でいい!

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中田馨

中田馨

なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

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