浅田美代子(あさだ・みよこ)/1956年、東京都生まれ。73年、ドラマ「時間ですよ」でデビュー。代表作に映画「釣りバカ日誌」シリーズなど(撮影/写真部・掛祥葉子)
浅田美代子(あさだ・みよこ)/1956年、東京都生まれ。73年、ドラマ「時間ですよ」でデビュー。代表作に映画「釣りバカ日誌」シリーズなど(撮影/写真部・掛祥葉子)
実年齢を20歳以上偽り、数億の金を搾取したエリカ(浅田美代子)とは何者なのか─? 樹木希林の唯一の企画作。監督は日比遊一。全国で順次公開中 (c)吉本興業
実年齢を20歳以上偽り、数億の金を搾取したエリカ(浅田美代子)とは何者なのか─? 樹木希林の唯一の企画作。監督は日比遊一。全国で順次公開中 (c)吉本興業

 浅田美代子さん45年ぶりの主演となる「エリカ38」は、2017年に出資法違反の罪で逮捕された実在の人物をモチーフにした映画。「浅田美代子にこういう役をやらせたら、おもしろいと思うのよ」昨年9月に亡くなった樹木希林さんの言葉が、すべてのはじまりだった。

【「エリカ38」の場面写真はこちら】

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 45年ぶりの主演映画となる「エリカ38」は、2017年に出資法違反の罪で逮捕された実在の人物をモチーフにしている。62歳の実年齢を38歳と偽り、31歳のタイ人青年を恋人にしていた女は、多くの人に強い印象を与えた。浅田美代子さん(63)は、そのニュースを18年9月に亡くなった樹木希林さん(享年75)と見ていたという。

「『美代ちゃんはこういう女を演じられるわよ』と言われたんです。『いや、私にはこういう話はこないでしょ~』と返したんですが、水面下で動いてくれていた」

 樹木さんが自ら企画を持ち込み、映画化が実現した。

「私の代表作となる映画をと思ってくれたんだと思います。この映画には女の中に潜む“毒”が描かれていますけど、私が希林さんと仲が良かったのも、お互いの中にある毒がわかっていたからだと思うんです」

 映画はフィクションだが、実際の事件も投影されている。

「主人公は特別なわけでなく、誰もが一歩間違ったら、こうした道に足を踏み入れてしまう。そういう思いで演じました。難しかったのはやっぱりベッドシーンですね。さすがに62歳ですし(笑)、濡れ場を演じたことがなかったんですよ。でもこの映画に出てから吹っ切れた部分もあります。キレイに映されたい、という思いはなくなって、すっぴんで映画に出ることも抵抗がなくなりました」

 樹木さんも母親役で登場する。

「最初は出たがらなかったんですけど、結局は『私が出ると映画の格が上がるのよねぇ~』(笑)って。二人で童謡『赤とんぼ』を歌うシーンは、本当は希林さんだけが歌うはずだったんです。でも聞いていたら、本番で思わず一緒に歌ってしまった」

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