即時払いはデビットカードと同じように、お店で支払った時点で銀行口座から代金が引き落とされるというもの。ゆうちょPayがその代表例だ。

 QRコード決済で特徴的なのが、「個人間送金」と「割り勘」の機能だ。

 個人間送金は、同じサービスを利用している人なら、電話番号などで相手を検索し、簡単にお金を送ることができる機能だ。パーティーの会費を集めたり、離れて暮らす子どもに仕送りしたりと使い方は無限だ。

 飲み会の後などに便利なのが割り勘機能。幹事が1人あたりの支払額を決め、参加者のQRコードを読み取ることで簡単に割り勘ができる。1円単位まで割ってもお釣りは出ないし、「上司は多めに」といった調整も可能。個人間送金の応用編、といったところだ。

 基本を押さえたところで、いよいよ各サービスを比較していこう。まず注目したいのが、決済額に応じた残高やポイントの還元だ。各社は今、高率の還元で利用者を奪い合っている。

 若い世代を中心に支持されているのがLINE Payだ。利用額に応じて3.5~5%という高い還元率のポイントがつくのが人気の理由で、この事業への投資がかさみ、LINEの19年1~3月期の決算は103億円の赤字になったという。まさに出血大サービスで、支持を集めようとしている。

 大盤振る舞いでは、PayPayのほうが目立っているかもしれない。昨年12月に「100億円キャンペーン」と銘打ち、上限なしに決済額の20%が残高に返ってくる特典をつけた。すると、それまで10万人程度だったユーザー数が、わずか4カ月で400万人に拡大したという。こちらも赤字覚悟の戦略で、5月に最大20%を残高に返すという第2弾のキャンペーンも実施した。

「ネット通販はアマゾンより断然、楽天市場」という人にうってつけなのが、楽天ペイだ。利用者の女性(36)はこう語る。

「楽天カードとひも付けた楽天ペイで支払うと1.5%のポイントが付きます。しかも、楽天市場ではポイント倍増キャンペーンがよく実施されるので、どんどんたまります」

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