さらに、森上教育研究所のアソシエイトコンサルタント、高橋真実さんは、大学付属校を選ぶ際のポイントとして、「6年後の出口をある程度イメージできるようになっていることが大切」と指摘する。

千葉県の会社員女性(46)の長女は今春、中高一貫の進学校に合格した。帰国子女枠での入学で、「英語の能力を伸ばせる」進学先を選んだ。付属校の帰国子女枠の人気も感じていたが、受験はしなかった。

「英語を使って仕事をしたいという希望は持っていましたが、将来、理系に行くのか文系に行くのかもまだ彼女の中では決めていなかった」と女性。付属校に進学後、外の大学を受けることもできるが、一般的には進学校のほうが卒業後の選択肢の幅が広いというメリットがある。

 また、生徒の自主性を重んじる一部の超難関進学校を除いては、教員の指導がきめ細かなケースが多く、大学受験に一丸となって取り組む雰囲気が醸成されるのも進学校の良さだろう。前出の高橋さんは、「上位層の進学校には進路指導のノウハウが蓄積されています」と利点を挙げる。(編集部・小田健司)

AERA 2019年6月10日号