入りやすいのに難関大へ進学可能! コスパの良い共学・中高一貫校は?

柿崎明子AERA#大学入試#教育

帝京大学中学高校/高3生の「東大・難関国立コー... (08:00)AERA

帝京大学中学高校/高3生の「東大・難関国立コー... (08:00)AERA
 志望校選びで参考にしたいのは、入学時の偏差値と大学合格実績。この差を比べれば6年間の学力の「伸び」がわかり、入りやすく難関大への進学がかなう「お得」な学校はどこかが見えてくる。今回アエラは、首都圏の国立、私立中高一貫校の共学校の2019年の大学合格実績と中学入学当時の偏差値をもとに、6年間の学力の伸びを数値化した。

【数値化したリストはこちら】学力の伸びた学校は?

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 共学校では、別学から共学化した学校が伸びている。渋谷教育学園渋谷や広尾学園は、女子校から共学になって難易度が増した。その要因を森上教育研究所の森上展安代表は、「放課後の講習などを始め、共学化をてこに大学進学に力を入れたため」と話す。

 国立難関7.4とトップの栄東、6.7の桐蔭学園中教は、いち早くアクティブラーニングを取り入れるなど、生徒の主体性を生かした授業改革を進めたことが伸びにつながった。GMARCH8.3の東京都市大等々力は、実験重視の理数教育「SST」を導入、思考力や記述力を鍛えている。

 国立難関の伸びが7.6、早慶上理6.3と成長著しいのが帝京大学中学高校。帝京大学グループで最初にできた学校で、その後、帝京大学が開学。以前は多くの生徒が付属の帝京大学へ進学していたが、いまはほとんどが他大へ向かう。舵を切ったのが、東京大学医学部出身の冲永荘一前理事長だという。同大医学部卒の冲永寛子校長が言う。

「先代は、帝京大学の原点であるこの学校を、母校の東大をはじめ国公立に進学できる学校にしたいと考えたようです」

 同校の特徴は、中学120人、高校180人という小規模校のメリットを生かした、生徒一人ひとりへのきめ細かな指導だ。昼休みになると職員室前は、質問に押しかける生徒の姿でいっぱいになる。入試広報部の竹之内毅教諭は、「教員は生徒に使い倒されています」と笑う。東京工業大学情報理工学院1年生の石川智貴さん(18)も、足しげく通った一人だ。

「ちょっとしたことでも質問しやすい雰囲気があった」と振り返る。1クラス約30人と少人数制で、基本的に3年あるいは6年間担任が持ち上がる。個人面談や三者面談が多いのも特徴で、年に複数回実施している。

 中学は朝講座、高校は夕講座の時間に英数国の小テストを実施。合格点に達しなければ昼休みに再テストがあるので、生徒たちは必死だ。

「自宅で30分~1時間勉強すれば満点が取れるような問題。小さなハードルを設けて、基礎学力をつけるようにしています」(竹之内教諭)

 定期テストの最中は毎日どんな勉強をしたのか学習計画表に書き込み、終了後の面談で、テストの成績と照らし合わせて何が足りなかったのか、今後どのような勉強をしたらいいのか話し合いを持つ。低学年は英語と数学を重視し、落ちこぼれる生徒を作らないようにする。

 夏休みの講座は、高2までは7月中に約10日間、高3は8月いっぱい開かれる。講座の種類は150にも及ぶ。生徒ひとりでも「○○を教えてほしい」という要望があれば開講したため、徐々に増えていったという。

 高2からはコース別の授業で、石川さんは東大・難関国立コースで学んだ。

「物理や数学は高校の枠を超え、学問の本質に迫るような授業をしてくれた。大変でしたが、難しい問題にチャレンジする楽しさを教わりました」

 同校には「南米音楽部」という、中高には珍しい部活がある。顧問の加藤哲也中学教頭は、東大で南米サークルを立ち上げ、今もライブで演奏する現役プレーヤー。「生徒と一緒に楽しみたい」と創部した。生徒と教員の距離の近さが感じられる取り組みだ。加藤教頭は言う。

「普段の勉強がハードなので、部活は楽しむことをモットーに、生徒が息抜きできる雰囲気を大切にしています」

 勉強一辺倒でなく、音楽やスポーツを楽しむ時間も学力向上の一助になっている。(ライター・柿崎明子)

AERA 2019年6月10日号

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