車暮らしで説法行脚“旅するお坊さん”が到達したミニマル生活 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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車暮らしで説法行脚“旅するお坊さん”が到達したミニマル生活

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石田かおるAERA
【僧侶】静慈彰さん(41)/南福寺住職。和歌山県生まれ。高野山大学大学院密教学専攻博士課程修了。真言宗海外布教師としてロサンゼルス、シアトルに勤務。2006年、世界宗教会議に登壇。16年12月から車暮らし(撮影/大野洋介)

【僧侶】静慈彰さん(41)/南福寺住職。和歌山県生まれ。高野山大学大学院密教学専攻博士課程修了。真言宗海外布教師としてロサンゼルス、シアトルに勤務。2006年、世界宗教会議に登壇。16年12月から車暮らし(撮影/大野洋介)

ルーフ上の太陽光パネルで電気をまかなう(撮影/大野洋介)

ルーフ上の太陽光パネルで電気をまかなう(撮影/大野洋介)

塔婆はじめ仕事道具一式は、すべて車内に(撮影/大野洋介)

塔婆はじめ仕事道具一式は、すべて車内に(撮影/大野洋介)

 3月下旬、「旅するお坊さん」の姿は千葉・九十九里浜にあった。高野山真言宗僧侶で『くるま暮らし。』(飛鳥新社)の著者、静慈彰(しずかじしょう)さん(41)だ。2年半前から車をマイホームにして、旅をしながら暮らしている。

【写真】太陽光パネルや仕事道具など、静さんの「車暮らし」のための装備がこちら

 京都で暮らしていた高校時代、阪神・淡路大震災が起き、そのとき目にした情景が今も忘れられないと静さんは言う。

「何十年もかけてローンを払っただろう家が、あちらこちらで一瞬にしてなくなった。『家はリスク』という意識がこのとき芽生えました」

 10代のころから生きづらさを抱えていた。父は高野山の高僧。僧侶になってからも新しいことを始めようとすると周囲と摩擦が生じた。組織は合わないと感じ、10年ほど前からフリーランスに。2016年に結婚生活が破綻すると、何もかも捨ててシンプルに暮らしたいと思うようになった。

 車暮らしの発想は離婚の前年、旧友を訪ねたニュージーランドで得る。大手商社に就職した友人が脱サラし、日本人の妻と車で暮らしていた。大自然を気の向くまま行く暮らしは楽しかった。

 印象深かったのは、ニュージーランドの人たちのおおらかさや自由さだ。友人が懇意にしている初老の男性を訪ねると、男性は友人の暮らしを「いいね」と肯定。男性自身も、自宅をシェアハウスとして貸し出し、庭のキャンピングカーで若い恋人と暮らしていた。

「がんじがらめになっていたものから解き放たれる感覚がありました」(静さん)

 静さんが暮らすのは中古の商用ワンボックスカー。約30万円で購入し、自ら改装した。運転席の後ろにオフィス席。3、4列目のシートは平らにして就寝スペースに。ベッド下は服や生活用品、仕事道具の収納スペースだ。

 運転席と助手席のルーフに2万円弱の太陽光パネルを貼り付け、車内の明かりやPC、スマホ、冷蔵庫などの電気をまかなっている。トイレは道の駅や買い物ついでにコンビニなどで。食事は自炊し、ガスは100均のボンベを使用する。


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