教頭は、すぐに犯人を追ったという。

「私が追いかけていくと、本校のバスの運転手も降りてきて犯人を追いました。その姿を見届けて、私は110番通報しつつ、子供たちの傷の様子を確認しながら列の後方へ向かっていきました。ちょうど7時45分。警察と救急に現場の状況を説明しました。7時51分に同じく携帯で学校に一報を入れました。けがをしている子供は動かさない方がいいだろうと判断し、ケガをしていない子ども20名ほどをスクールバスに乗せました」

 子どもたちは、バス停の目の前にあったコンビニにも避難していた。

「コンビニの奥の方にけがをしている児童が5人、それ以外にその3倍くらいの児童がコンビニの中に逃げていた。コンビニ内と路上とスクールバスの手前の児童を見ながら、一番重症と思った子のそばにいて、警察と救急の到着を待ちました」

 犯人はなぜカリタス小の児童たちを狙ったのか。学校法人カリタス学園の齋藤哲郎理事長は「心当たりは全くありません。犯人像につきましては、警察のほうにお任せしているという状況で何もわかっていません」と語った。(編集部・川口 穣)

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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