丸山議員本人にそんな思惑があったかどうかは分からない。ただ、日本維新の会は早々と丸山議員を除名する方針を決定した。大阪都構想実現のためには絶対に落とすことができない堺市長選、参議院選へのダメージを最小限にするためだ。

 そんな最中、今度は今夏に予定されている参院選比例代表で日本維新の会公認で立候補する予定だった元フジテレビアナウンサー、長谷川豊氏(43)による被差別部落への差別を助長する発言が発覚。党は23日、長谷川氏に対して参院選で予定していた公認を、当面、停止にすることを決定した。長谷川氏はかつて人工透析患者に対し、その多くは自業自得などとブログに掲載し、当時出演していた番組を降板した経緯がある。

 こうした差別や戦争にまつわる失言が続くと、日本維新の会そのものが、戦争や差別を助長する候補者を公認する政党と有権者に疑われても仕方がない。維新代表の松井一郎・大阪市長は大阪府知事時代、沖縄・高江の米軍ヘリパッド建設現場で、建設に抗議する市民に対し「ボケッ、土人が」と暴言を吐いた大阪府警の機動隊員を擁護し、謝罪しなかった過去もある。

(編集部・中原一歩)

AERA 2019年6月3日号より抜粋