返却場所があれば、どこでも借りられて、どこでも返せるのはたしかに便利。家の自転車置き場も要らないし、モノを持たないオシャレな生き方も満喫できるだろう。でも、この2年で支払った料金は合計10万円以上。それなりの電動自転車をとっくに買えるお金をつぎ込んだと思うと、物欲世代としてはちょっと悔し……いや、合理的でステキね。

 ちなみに、メーカー側のうまみはけっこうありそうなのがサブスク。例えばAdobe(アドビ)が1兆円企業に成長したり、マイクロソフトが16年ぶりに時価総額世界一に返り咲いたりしたのは、PhotoshopやOfficeなど製品のサブスク化による恩恵、なんてことも言われている。

 かたやユーザーにとっても便利で、リーズナブルで、魅力的なサブスクサービスは多い。個人的には「物欲」も捨てないまま、「サブ欲」も爆発しそうなイヤな予感が……。(ライター・福光恵)

AERA 2019年5月27日号