たしかに加盟店はいい感じのカフェばかりだし、たまたま家の近くに加盟店もあるし、帰宅拒否症ってわけじゃないけど、どっかに出かければ、カフェに寄り道するのも日課だし。思い切って30杯のほうの会員登録をすることにした。

 ところがだ。10連休をはさんだために、休みは多いわ、仕事は忙しいわ、出かけるのが面倒だわ。残り10日となったところで、カップの残りはまだ28杯! コーヒーの香りを嗅ぐたび、面倒くさがりの自分を恨んで、憂鬱な気分になってきた。

 1カ月だけ使える、昔懐かしいコーヒーチケットのようでいて、おしゃれ。しかも30杯飲めば、1杯当たり162円と、お得感もたっぷり。ちゃんと使いこなせるのか、ユーザーの資質も問われるサブスクだろう。

 ほかに、飲み食いジャンルのサブスクでは、「リデュースゴー」など、余剰食品を捨てない手段としてお得にサブスクできる意識高い系のサービスも。また家庭用ビールサーバーで使うビールのボトルを定期的に送ってくれる「キリンホームタップ」なども、サブスクサービスのひとつに数えられることがある。(ライター・福光恵)

AERA 2019年5月27日号