「長時間残業しても疲れにくくなりました」


 
 スキマ時間に歩くのであれば、日ごろから歩きやすい靴を履いておきたい。とはいえ、スニーカーで通勤するのは難しい人も多いだろう。

 シューズメーカーのアキレス(本社・東京)が13年に販売を開始した「ALL DAY Walk」は、職場でも快適に履ける機能性パンプスの火付け役だ。コンセプトに掲げたのが、「20キロ歩けるスニーカーのような履き心地のパンプス」。

 企画開発に携わる同社の小坂七美(ななみ)さん(28)によれば、運動靴で培った技術を応用したという。

「インソール(中敷き)の厚みを通常のパンプスの2倍近くにし、さらに、高反発と低反発のクッションを組み合わせることで、衝撃を吸収し疲れにくくしています」

 機能性とファッション性を両立させたことで、発売当初からテレビなどのメディアにも取り上げられ大きな話題となった。リピーターも多く、国内だけでなく香港などアジア各地も含め、累計販売足数100万足を超えるヒット商品となった。

 手持ちの靴が歩きづらいときは、靴の中敷きで調整するという方法もある。

 中敷き専門店、シューフィット・神戸屋(東京都新宿区)の店主で靴のコンサルタントの西村泰紀(たいき)さんによると、歩いていて疲れるもっとも大きな理由は、足囲(足の親指と小指の付け根の周囲の長さ)に原因があると言う。

「靴を試着するときは両足に力が入るので、実際に歩くときよりも足囲が広がり大きめの靴を買ってしまいがちです。すると靴が脱げないように足で靴をつかみ、本来使うべきでない筋肉を使って歩くため、すぐに疲れてしまいます。中敷きで調整することで、かなり歩きやすくなりますよ」

 大切なのは中敷きの厚み。例えば、足の甲と靴の履き口に指が1本入る時は2ミリの中敷き、2本入る場合は3ミリの中敷きを入れるなど、自分の靴に合わせて調整する。中敷きは足指の手前に置き、指先にかからないようにすることでストッパーの役割を果たしてくれる。

「正しく筋肉を使うので、歩いても疲れにくくなります」(西村さん)

 歩数計機能を持つスマートフォンやスマートウォッチの普及により、毎日の歩数を把握している人も増えた。AERAネットのアンケートでも、回答者の8割以上が自分の歩数を把握していた。毎日の歩数を知ることは、目標達成の第一歩だ。(編集部・野村昌二)

AERA 2019年5月27日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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