スキマ時間に楽しく歩こう。写真はアキレスの小坂七美さん。平日はスキマ時間を使ってよく歩き、気がつくと1万歩歩く日もあるという。「歩いていると、気持ちもスッキリします」(撮影/写真部・東川哲也)
スキマ時間に楽しく歩こう。写真はアキレスの小坂七美さん。平日はスキマ時間を使ってよく歩き、気がつくと1万歩歩く日もあるという。「歩いていると、気持ちもスッキリします」(撮影/写真部・東川哲也)
忙しい会社員がスキマ時間で歩く七つの秘訣(AERA 2019年5月27日号より)
忙しい会社員がスキマ時間で歩く七つの秘訣(AERA 2019年5月27日号より)
靴選びでは足囲にも注目(AERA 2019年5月27日号より)
靴選びでは足囲にも注目(AERA 2019年5月27日号より)

 歩きたいけど、時間がない。そんな人はスキマ時間を活用すればいい。そのためには、日ごろから歩きやすい靴を履いておく必要がある。おしゃれで歩きやすいシューズ靴に新調したり、手持ちの靴の中敷きを調整して歩きやすさを追求してみよう。

【図を見る】忙しい会社員がスキマ時間で歩く七つの秘訣

*  *  *

 ちょっとしたスキマ時間にできてしまう。歩くことのよさは、そんなところにもある。研究職として働く女性(41)は楽しそうに話す。

「通勤の行き帰りや駅の階段。外出する時も、時間があれば歩いてますし、会社でもトイレは下のフロアに階段を使って行くようにしています」

 きっかけは2011年に起きた東日本大震災だ。交通機関がストップし2時間以上歩いて自宅にたどり着いたが、翌日は動けないほど足が痛くなり、運動不足と体力低下を痛感した。

 これじゃあだめだ──。

 体を鍛えないといけないと思ったが、スポーツジムはきついし、走るのもつらい。そもそも、忙しくてまとまった時間を取ることはできない。だったら歩ける時に歩こうと決めた。

 実際歩いてみると、頭の整理ができることがわかった。

「もつれていた思考がほどける感覚。心も無になり、頭もすっきりします」

 机に向かっているだけでは得られなかった感覚だという。

 歩けば、出会いもある。同じ場所でも季節によって見せる街の景色が違う。春になって桜が咲いていたと思ったら、今度はツツジが咲いていたりしてハッピーな気持ちになる。靴も、それまでのハイヒールはやめて歩きやすいかかとの低いパンプスに替えた。今では、平日は1日9千歩近く歩くのだという。

「もう、歩かないと気持ち悪いレベルです(笑)」

東京都健康長寿医療センター研究所運動科学研究室長の青柳幸利医学博士は、家と職場を往復しているのであれば、少しの工夫で歩くことはできると助言する。そこで「忙しい会社員でも達成できる七つの秘訣」をあげてもらった。

 AERAネットで行ったアンケートでも、スキマ時間を使ったさまざまな歩き方の工夫が寄せられた。通勤時やランチタイム、外出時……。自宅でのちょっとした時間に、ランニングマシンで歩くという人もいた。

 アンケートの回答でもっとも多かったのが、通勤途中や仕事の時に「1駅分歩く派」だ。

 公務員の男性(32)は、体力がなくなってきたのが気になりだし、1年ほど前から会社の行き帰りに1駅前で降りて歩くようになった。片道約20分。今では体力がついたことを実感する。男性は言う。

著者プロフィールを見る
野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

野村昌二の記事一覧はこちら
次のページ