しかし、機器が新しく、無線環境も快適となれば、調整が必要なぐらいコンピューター室の利用が増えるはずである。

 次に必要なのはICT支援員である。機器のリリースに伴い、各機器の扱いは、高機能搭載に伴い複雑になる。多忙な教員が、全てを熟知できるはずがない。

 授業で使用する端末の準備、授業途中でのトラブル対応、そして機器のメンテナンスをICT支援員が担ってくれれば、先生方のICT機器利用は格段に倍増する。私が校長をやっていた時も、ICT支援員の来訪日には教員のICT機器利用率がぐんと高くなったものだ。
 
 つまり、コンビュータ室の活用、ICT機器の活用に必要なのは、機器の導入とICT支援員の配置である。

 言い換えれば「モノ、ヒト」である。

 そのためには、やはり必要経費「カネ」が必要となる。

 もちろん、各学校が持っている学校予算では、到底実現できない。自治体単位の教育予算が鍵をにぎる。実は、小学校のプログラミング教育必修化に伴い、国は、2018年から2022年度の5カ年で「教育のICT化に向けた環境整備5カ年計画」を取り決めた。これにより、単年度1805億円の地方財政措置が講じられているのだ。

 しかし、各学校レベルになると、いまひとつその恩恵を感じることができない。それはなぜなのか? 学校をまわるうちに見えてきたことを、次回で述べたいと思う。

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福田晴一

福田晴一

福田晴一(ふくだ・はるかず)/昭和31(1956)年、東京都生まれ。みんなのコード学校教育支援部主任講師、元杉並区立天沼小学校校長。約40年の教員生活を経て、2018年4月NPO法人「みんなのコード」に入社。61歳で新入社員となる。2020年度からの小学校におけるプログラミング教育必修化に向け、指導教員を養成すべく、全国を東奔西走中

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