詳細は企業秘密なので明かせませんが、くら寿司ではこれに加えて、「どのネタをいつ、いくつ作って流せばいいのか」というところまでシステムが判断して指示してくれます。厨房の従業員は、システムの指示に従って、丁寧な作業に集中できるようになっています。

 かつて寿司職人には長年の経験が必要とされていましたが、こうしたシステムの導入によって、入社したばかりのアルバイトやパートの方でも、戦力として活躍していただけるようになっています。

 こうして効率化できた分を、よりおいしいネタの提供や新しいメニューの開発に振り向けることで、おいしいお寿司をリーズナブルな値段で提供できているんです。

 回転寿司が大きく進化した平成を経て、令和時代の回転寿司はどこに向かうのでしょうか。

 AIの活用によって、もっといろんなことができるようになるかもしれません。例えば、席に座るとそれぞれのお客様の好みのお寿司が自動的に提供されたり、ロボットを活用した無人の店舗が登場したりするかもしれませんね。お客様においしいお寿司を、うれしい驚きをもって楽しんでいただくために、当社でも日々さまざまな新しい取り組みにチャレンジしています。

 2025年には再び大阪で万博が開催される予定です。その頃には世界中の人々があっと驚く新しい回転寿司の姿をお見せできるかもしれません。次世代の回転寿司にぜひご期待ください。

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◯岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、18年12月から「くら寿司株式会社」広報担当

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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