副業解禁で何が変わったのか? 「雇う側」「雇われる側」の本音 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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副業解禁で何が変わったのか? 「雇う側」「雇われる側」の本音

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中原一歩AERA#働き方
「副業元年」と言われた2018年。副業を“禁止”から“自由”に舵を切った企業も多い(撮影協力:ストックプラス)

「副業元年」と言われた2018年。副業を“禁止”から“自由”に舵を切った企業も多い(撮影協力:ストックプラス)

副業を認めている企業は22%(AERA 2019年5月20日号より)

副業を認めている企業は22%(AERA 2019年5月20日号より)

 しかし、副業を解禁した大手企業の中には、別の思惑もあるようだ。

 大手電気機器メーカーの役員の男性(54)は、副業解禁の本当のターゲットは、企業の屋台骨を支える40代と言われているがそれは違うと断言する。彼らは就職氷河期世代で、そもそも絶対数が少ない。ゆえに、人事としては副業を解禁して「積極的には他社を見せたくない」のが本音だというのだ。

 では、副業を本当に奨励したいのはどの世代か。

「まもなく定年を迎える50代以上です。現在、毎月の定年退職者の数はおよそ100人。これが5年後には5倍になります。産業構造が大きく変化した今、デジタルトランスフォーメーションの導入についていけない分野において、社内に雇用の受け皿はありません。だからこそ、副業が退職後の自分の居場所探しにひと役買うことになるのです」

 そして、こう続けた。

「シニア世代であれば、時間短縮などのシフトを利用して、副業と本業を両立させるのも大歓迎です。何しろ人件費節約にもなりますから」

 雇う側の思惑に対し、雇われる側の社員は副業解禁をどのように受け入れているのか。

 大手不動産会社で、ウェブ開発のディレクターをしている女性(42)は、会社の副業解禁を受け、勤務時間外に友人の伝手であるファッション雑誌のウェブ版のリニューアルを請け負うことになった。勤続18年。給与に不満はない。出社時間もフレックス。そんな彼女の副業の目的は「人材のメンテナンス」だ。

「今の会社は正社員に対する福利厚生は手厚いのですが、外部のウェブデザイナーなどへの報酬について、上司はなるべく価格を下げろとしか言いません。例えば、彼らを夕食に招待したくても、会社からは経費節約を言い渡されているので、自腹を覚悟しなければなりません。優秀なデザイナーは競合の会社とも取り合いなんです」

 限界を感じた彼女は、自分が時間外の副業で請け負ったウェブ開発の仕事を、本業からの報酬より高めの設定で彼らに発注。自分の手取りは減るが、それでも本業に生きると話す。


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