2020年に開催されるオリンピックとパラリンピックに向け、小中学生向けの月刊ニュースマガジン「ジュニアエラ」では、毎号、これまでの大会などにちなんだ豆知識を紹介しているよ。2019年5月号で取り上げたのは、日本のパラリンピック初参加についてだ。

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 日本がパラリンピックに初めて参加したのは1964年、五輪の後に行われたパラリンピック東京大会だ。

当時、欧米ではすでに障害者スポーツが盛んに行われ、スポーツ用の車いすも開発されていた。これに対して日本は大きく後れをとり、ほとんどの選手の車いすが、リハビリ施設や病院から借りたものだった。

そんななか、選手たちは大健闘し、金1、銀5、銅4個のメダルを獲得した。唯一の金メダルは、卓球の男子ダブルスの渡部藤男選手と猪狩靖典選手。決勝では、障害者スポーツ先進国のイギリスの選手を破っての快挙だった。

 当時はスポーツに限らず生活のあらゆる場面でバリアフリーが進んでおらず、車いすでは電車に乗ったり、街中を移動したりするのもままならなかったとのこと。渡部選手は試合会場に移動するのが精いっぱいで、それ以外は選手村にひきこもったままだったという。

 なお、このときの東京大会は現在、パラリンピックの第2回とされているが、それは後から決められたこと。当時、まだ大会は定着しておらず、「パラリンピック」という言葉もなかった。しかし、この東京大会で愛称として初めて使われてから次第に広まり、88年ソウル大会(韓国)から正式名称となった。五輪と同じ年に同じ都市での開催が定着したのもソウル大会からだ。

※月刊ジュニアエラ 2019年5月号より

ジュニアエラ 2019年 05 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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