子どもでも、いや、子どもだからこそ、小さな悩みをだれに相談していいかわからず、一人で抱え込んでしまうもの。そんなときはぜひ、聞かせてください。ズバッと解決してみせましょう。小中学生向けの月刊ニュースマガジン「ジュニアエラ」で連載中の「小さなことでも気軽に! こなやみ相談室」。2019年5月号の相談は「人前で話すのが苦手」。回答者はコラムニストの石原壮一郎さんです。

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【Q】人前で話すのが苦手です。 授業で当てられたときも声が小さく なってしまい、先生に怒られます。 どうしたら直りますか?(ナオトさん 東京都/12歳)

■得意そうに見せようとせず 苦手な自分をさらけ出そう

 何を隠そう、「人前で話すのが苦手」というのは、大きな長所です。「人前で話すのが得意」と思っているヤツは、だいたいロクなもんじゃありません(個人の感想です)。

 そいつらは口先で他人を動かせると思っているし、口にする言葉は、本人が思っているほど聞く側の胸には響かないのが常。苦手な人が一生懸命口にした言葉のほうが、はるかに胸に響くし、信頼できます。

 たぶん、授業で当てられたときに声が小さくなってしまうのは、ナオトさんが自分を「話すのが得意な人」に見せたいと思っているから。実際は得意ではないので、話せば話すほど「これじゃダメだ」と自分を追い込んで、どんどん声が出せなくなります。

「話すのが苦手な人」と思われることを怖がる必要はありません。苦手な自分をさらけ出しつつ、苦手なりにがんばって話せば大丈夫です。声も小さくならず、もしかしたらクラスメートや先生に、「おっ、ナオト、意外といいこと言うなー」と感心されるかも。

 どんなことでも「苦手であることの強み」が必ずあります。それをうまく生かして、結果的に得意なことにしてしまいましょう。

※月刊ジュニアエラ 2019年5月号より

ジュニアエラ 2019年 05 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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