アンケートの自由回答欄には「自然体」「等身大」という言葉も多く見かけた。肩の力を抜いて、笑顔でいてほしい。そういう願いが伝わってきた。

 今年1月、アエラは「次世代の皇室」を取り上げた。「それぞれ痛みを知り、より深く国民の中へ」と見出しが立っていた。

 そこで紹介されていたのが、被災地の人たちに支えられる雅子さまの姿だった。

 陛下と雅子さまは東日本大震災発生以来、17年までに被災3県を3巡された。その中で、被災者から雅子さまに「頑張ってください」「応援しています」という声が上がるという。

「お互いにつらい思いをしたからこそ、私たちとより通じ合える」。そういう被災者の声も紹介されていた。

 病気を抱える雅子さま。そのままの姿で被災地に行き、笑顔を見せる。それが国民を励まし、雅子さまへの励ましとなる。

 雅子さまはすでに、新しい皇后像を実践されていると思う。(コラムニスト・矢部万紀子

AERA 2019年5月13日号

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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