猫の生き方を参考にしてみよう!(※写真はイメージ)
猫の生き方を参考にしてみよう!(※写真はイメージ)

 街を歩いていると、多くの人が「不機嫌」「疲れた」「憂鬱」をそのまま表情にしたような顔をしているように見えます。「他人に嫌われないか、不安」「本当の自分を出せず、相手に合わせて無理してしまう」「一人でいると、不安になる」……。

「もし、こんな悩みを抱えているとしたら、ネコに学ぶチャンスかもしれません」そう話すのは、『ニャンと簡単に身につく! 心が休まる「アドラー心理学」』(文響社)の著者で、獣医師でアドラー心理学に詳しい宿南章先生。ではなぜネコに学ぶと心がラクになるのでしょうか?

「ネコの生き方に触れると、悩みを解決するヒントを得ることができる」と宿南先生は言います。どういうことか解説してもらいました。

*  *  *

「ネコ科動物と人は、真逆の生存戦略によって生き残ってきました。人は、協力して『社会をつくる』ことで種の繁栄を築いてきました。一方、ネコ科動物は『個体ごとの高い能力に磨きをかける』ことで、繁栄してきた種です。そしてネコ科動物は、人が地上の覇者になる前の3000万年もの間、この地球上の王者でした。現代の社会で生きることに生きづらさを感じる今、ネコ的な生き方を知ることは、私たちがよりよく生きるためのヒントになるのです」(宿南先生)

 今、私たちが抱える悩みの多くが、周囲の人達との関係によって生じています。人は集団を作っていかなければ種として存続でき(ませんが、その集団がより大きく、複雑になったことで、悩みはますます増えているかもしれません。

 では、そんな不安や悩みにとらわれず、ネコのように自由に振る舞うには、どうしたらいいのでしょうか? そのためには、ネコの「ゆるい社会の作り方」が参考になるそうです。

 ネコ科の動物は基本的に群れを作らずに生活をしています。狩も単独で行います。家ネコもそう。狩は単独で行い、自分の生活圏を1匹で維持しています。このように単独で生きているネコですが、時に「ネコの集会」を開きます。この集会はゆるい共同体。たまに皆で集まることで、緩やかなつながりを確認していると考えられているといいます。

 日本の会社はまだまだ縦社会。がんじがらめの強いつながりの中で、私たちは苦しんでいます。「仕事の悩みのほとんどが人間関係」という方もいるでしょう。

次のページ
仲間とのつながり方も、人間と猫では大きく違う