■親のかかわりで子どもの興味関心は膨らむ

 Bちゃんの興味関心を探してみると「周りの景色やお母さんの行動をじーっと観察すること」に興味津々でした。特に、スーパーの袋を触っている時に手足をバタバタさせて喜びます。そうとわかったら袋を使って遊んでみます。目の前で袋を「シャカシャカ」言わせてみましょう。袋を触らせてみてもいいですね。袋の感触を手で感じ「シャカシャカ」という音を楽しみます。袋に空気を入れて風船にして、ポンポン上へ放り上げてみます。すると袋の動きと音を聞きケラケラと大笑いし始めました。

 このように、子どもの興味関心を見つけたら、さらに膨らませてあげるのです。ただ、物を口に入れる時期なので、袋で遊ぶときは必ずそばで見守って遊んでください。

 親が子どもの発達に向き合う時に最も大切なのは「ほかの子と自分の子を比較しない」ということ。これは、これから続く子育てで、ずっと大切にしてほしいことです。私自身もそうでした。「比較しても仕方ない」とわかってはいるけれど、比較してしまうのが困ったものです。比較した時は「比較しない!」と思い直せばそれでOKです。

■発達の目安を知る

 例えば「7カ月のころにはどんな発達をするのか?」を知っておくと育児の目安になります。育児書によると7カ月ごろは、寝返りやおすわりが完成し、ハイハイをし始め、中にはつかまり立ちをする子もいます。なんでもなめて確認し、喃語が出始め、人見知りが始まります。

 ただここも注意が必要で、子どもは必ず育児書通りには発達するわけではありません。寝返りする前におすわりが完成する子もいます。ハイハイをあまりせず立つ子もいます。「発達の目安には幅がある」ことも心に留め、育児書はあくまで目安としてとらえます。

■相談するのは専門家

 発達には個人差があるとはいえ、心配な気持ちは放っておけません。心配なことは専門家に相談です。専門家に相談すると、適切に対応してもらえるので安心できます。ネット検索ももちろんいいですが、一般論ですので参考までにとどめます。子どもを実際に診てもらいながら専門家に相談することが近道になります。

 大人と一緒で、子どもにもそれぞれに興味関心、得意不得意がある。だから発達には個人差があると認識し、ほかの子と比較しない。これが基本です。「今こんなに悩んでいる発達の不安」は子どもの成長とともに数カ月後には解決していることがほとんど。子どもの個性を感じながら毎日を過ごすと楽しい風が吹き始めますよ。

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◯中田馨
なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

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中田馨

中田馨

なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

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