クラブ活動からオリンピックまで、規模もレベルもさまざまな舞台で、多くの人を夢中にさせるスポーツ。話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』では、毎号、一つの競技を取り上げて、やっても見ても楽しくなるうんちく(深~い知識)を紹介するよ。今回は、野球を取り上げるよ。

69年にプロ野球のロッテに入団した飯島秀雄選手(c)朝日新聞社
69年にプロ野球のロッテに入団した飯島秀雄選手(c)朝日新聞社

<競技の内容>
 9人ずつの2チームが攻撃側と守備側に分かれ、守備側の投手が投げたボールを攻撃側の打者がバットで打つなどして得点を争う。

<起源>
 1846年6月19日、アメリカ・ニューヨークの消防団が初めて試合を行った。この日は「ベースボール記念日」と呼ばれる。アメリカ北部で広がり、19世紀半ばの南北戦争をきっかけに南部にも広まった。日本には、1872年、現在の東京大学でアメリカ人教師のホーレンス・ウィルソンが伝えた。

<野球のうんちく6連発!>
(1)投手はわざと打ちやすいボールを投げていた!

 野球はアメリカで生まれ、1845年にアメリカ・ニューヨークで、現在につながるルールがつくられた。しかし、投手は下手投げで打ちやすいボールを投げるなど、今とはまったく違う部分も多かった。今のように攻守交代を9回繰り返した後で得点の多いチームが勝ちなのではなく、先に21点取ったチームが勝ちだった。

(2)野球カードに2億円超の値がついたのはなぜ?

 1909年、アメリカのたばこ会社が、景品としてスター選手だったホーナス・ワグナーのカードを無断でつくった。しかし、これを知ったワグナーは、「青少年にたばこを買わせたくない」として回収させた。ほとんど出回らなかったカードはとても貴重なものとなり、2007年には280万ドル(約2億6300万円)もの高値で取引された。

(3)日本で生まれた軟式ボール

 ボールには、硬式と軟式の2種類がある。プロ野球や五輪などで使われるのは硬式ボールで、コルクの芯に糸を巻くなどしてつくられる。中身がつまっていてよく飛ぶけれど、当たると危険だ。そこで、1918年、京都の鈴鹿栄が考えたのが、ゴムでできた軟式ボールだ。中は空洞で、当たってもケガの心配が少ないため、野球の普及と発展に大きく貢献した。

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AERA編集部
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