思わず「うわー汚い!」 五感に訴えるストーンズ展で感じるロックの魂

鈴木あずきAERA
 ロンドン、ニューヨーク、シカゴ……、世界各地を巡回したストーンズ展が日本に上陸中だ。メンバー自身がプロデュースした数々の展示から、ロックの魂を感じたい。

【画像】必見! 伝説のエディス・グローヴのアパートを臭いまで再現すると…

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 うわー、汚い汚いと世界中で大評判だったがマジで汚い! 汚臭まで漂い、顔をしかめたくなるほどの汚部屋。ローリング・ストーンズ結成直後のメンバーたちが共同生活をおくっていた伝説のロンドンのアパートで、今回の回顧展のために再現された。

 目を背けたくなるのをガマンして薄暗い室内に目をこらすと、リビングのテーブルにイギリスを代表する音楽誌2誌を発見。ああ、ここで二十歳そこそこのヴォーカルのミック・ジャガーやギターのキース・リチャーズがいつかインタビューされる日を夢見て、音楽誌をめくっていたのか。なるほど、これはイギリス版「青春の四畳半」暮らし。そう理解すれば汚さも納得。遠い存在のストーンズが一気に身近に思えてきた。

「展覧会を見るというより、体験イベントとしてストーンズを体感してほしい」とミックが企画意図を説明するように、この回顧展「Exhibitionism(エキシビショニズム)」はストーンズの生々しい息遣いをライブで感じられる遊び場だ。

 ロックアーティストの回顧展を体験型展示というスタイルに進化させたのはデヴィッド・ボウイ展だった。国立博物館の学芸員が企画したボウイ展は、ボウイ本人の学究肌な資質も加わって、アートの社会背景を子細に説明するなどアカデミック色も強かったが、今回はストーンズ自身がプロデュース。自分たちの命はグルーヴとノリだという自覚があるのだろう。テキストでの説明よりもサウンドや光、触感、においなど、五感に訴えかける。

 会場でも大人気なのがミキシングコーナー。「悪魔を憐れむ歌」「悲しみのアンジー」など、代表曲が誰でも指一本でミキシングできる。ヘッドホンをかけ、まずはキースのギターだけ、次はミックのヴォーカルだけなどに絞って遊んでいると、これまで気がつかなかった音まで聞こえてくる。これは楽しい!

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