つばさ基地での練習風景(撮影/今村拓馬)
つばさ基地での練習風景(撮影/今村拓馬)

 改元をはさんだ今年のゴールデンウィークは破格の10連休。降ってわいた長い休みには思い切って何かを変えるチャンスだ。

 例えばバク転。果たして10日間でできるようになるのか。「つばさ基地」の秋本つばさ代表によると、バク転の習得スピードは、筋力や柔軟性のほか、体形や運動歴によっても大きく変わる。ビギナーが10日間で跳ぶには、以下の条件を満たしているか確認したい。

●基礎チェック表

(1)筋力:腕立て、腹筋、背筋、スクワットをそれぞれ10回以上、休みなくできるか
(2)柔軟性:両腕を上へ挙げたとき、耳より後ろへ伸ばせるか
(3)体重:体重が「身長-105」の数値内に収まっているか
(4)経験:学生時代に運動部だったか、もしくは今まで継続的に運動をしているか

 条件を満たさない場合は、10日間の練習で跳ぶことは難しい。まずは身体作りから始め、少しずつバク転の技練習を取り入れていきたい。

●バク転練習メニュー

 最初は、バク転に必要な「筋力」「運動神経」「柔軟性」の3点をバランスよく身に付けていく。また、頭が下になったり回転したりすることによる「酔い」に慣れるため、三半規管を鍛える。後ろにジャンプする際に感じる恐怖心なども減らしていく。

【STEP1 基礎練習】
 まずは15分間のストレッチ。その後、前転、後転、前転ジャンプ、後転ジャンプ、倒立前転、側転などを順に行う。ここで回転という非日常的動作に体を慣らしていく。

【STEP2 反復練習】
 以下の練習を繰り返し、バク転を跳ぶための筋力や感覚を養っていく。

・壁倒立
 壁を使って倒立を行い、10秒間姿勢をキープ。このとき呼吸しながら、逆立ち腕立てを1~2回行えるぐらいの筋力がほしい。

・倒立バッタン
 厚めの体操エバーマットの手前で倒立を行い、そのまま前にバッタンと倒れる。倒立時に両腕両肩を内側に締めて体重を支える感覚と、体が前方縦方向に回転する感覚を養う。

・背面跳び(飛び乗り)
 体の後方にぶ厚い専用マットを置き、マットに飛び寝るように背面跳びを行う。後ろにジャンプする感覚を養い、恐怖心をなくす練習。

【STEP3 バク転練習】
 バク転のフォームや動きを練習。最初は講師に体を支えてもらいながら、ゆっくり後ろ向きに逆さになって、回転する景色を体験。目を開けながら、両腕で体を支える練習も行う。その後、背面跳びの練習に慣れたら、実際にバク転の動きに入る。講師に補助してもらいながら、時計の1時の方向にジャンプ。回転しながら素早く腕を伸ばしてしっかりと体を支え、腹筋に力を入れて立つ。両足が着地するまで気を抜かないことが大切。

次のページ