・赤ちゃんは泣いてもいい

 現在は「抱き癖がついても大丈夫。泣いたら抱っこしていい」と言われています。抱っこは、親子のスキンシップの大切な時間。私もどんどん抱っこしてほしいと思っています。しかしそれも時と場合によって取捨選択の場面が出てきます。「赤ちゃんを泣かせてはいけない」から「泣いたらすぐに抱っこしなければいけない」。「おろすとまた泣くので1日の大半を抱っこで過ごしている」。これでは、母親の心も体も疲れてしまいます。場合によっては、泣かさないことがベストではありません。泣いている赤ちゃんが、今すぐ抱っこが必要なのか?を考えてみます。もし、環境や体調に危険がないのなら慌てなくて大丈夫。「洗濯物を取り込んだら、すぐに行くからね」など声をかけて待ってもらいます。赤ちゃんは泣いてもいいのです。

・子どもがどんどん育つことが「ベスト」ではないこともある

 親は、子どもにどんどん成長してほしいと願っています。だからこそ「良い」とされる玩具、遊び方、声掛けの方法の情報を取り入れます。寝返りができる、ハイハイができる、歩き始める、「マンマ」など一語文を話し始めるなど発達の目安時期を調べて、自分の子どもができていたら安心し、まだだったら不安を感じます。私自身も友達の子どもが先にできるようになったら劣等感を感じることもありました。どんどん前に進むだけがベストな子育てではありません。停滞したり、時には後戻りすることもあります。そんな時、慌てることなく「こんなこともあるよな。この子の成長を見守ろう」と思えることのほうが実は大切なのです。

■周りの意見はほどほどに取り入れて

 私の息子と娘はもう赤ちゃんではなくなりました。勉強方法、遊び方、友達との関わり方は、自分の子ども時代とは違うので、戸惑いながら「この関りでいいのか?」「この判断で良かったのか?」と、今も小さいこと大きいことを取捨選択しながら過ごしています。これから長く続く子育てです。赤ちゃんのときからスタートダッシュしてしまったら息が切れてしまいます。周りの情報や意見はほどほどに取り入れつつ、自分が大切にしたい「子育てポイント」を中心にして子育てしてください。

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◯中田馨
なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

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中田馨

中田馨

なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

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