劇的な速度ではない。遅々とした歩みではある。しかし、それでも社会は変わっている。人材育成コンサルタントの渋井真帆さん(47)さんは言う。

「女性が何のために働くかというと、それは輝くため。輝くって何かというと、それは仕事を通じて、他者や社会に貢献すること」

雇均法第1期として、就職ランキングトップの企業に総合職として入社したが、営業先で不当な扱いを受けるなどして退職した女性(53)は現在、再就職した教育機関で女性トップの管理職を務める。

「『#MeToo』など女性が声を上げることで、私たちがのみ込んできた思いを、言葉にできるようになった。それは大きな変化です」

平成元年に、大手町で切羽詰まっていたあなたは、30年たった今、どうしているだろうか。どうか自分の居場所を見つけ、輝いていますように。(ジャーナリスト・清野由美)

AERA 2019年4月22日号より抜粋