表題曲の「SUPER MUSIC」はメンバーの言動がきっかけで生まれた最初の曲。「移動のバンで僕が鼻歌で歌っていたら、ドラムの西浦(謙助)さんがiPhoneを取り出して、録音しだしたんですよね。『これは録音しとかなあかんで』って(笑)。初めてバンドが一体になれたような気がしました」

 アルバム制作過程では、解散の危機もあったのだそうだ。

「ボーカルの齋藤(里菜)さんに課されるタスクが増えて、ある日、『1999』を録っているときに、スタジオブースの中で『もう実家に帰らせてください』って泣き出したんです」

 だが、発売のスケジュールも決定済みで、スタジオも押さえている。「こうなったら男だけで大合唱するしかない、ということで3日くらいで作ったのが最後の『チグリス・リバー』(男性コーラスが印象的な曲)なんです」

 若いミュージシャンの中には、相対性理論に直接影響を受けたフォロワーのさらにひと世代下で、真部のことを知らない人もいるという。だが、真部自身はいまも目まぐるしく変わり続けている(ライター・神田桂一)

AERA 2019年4月22日号