「このことをテーマに作品を書きたいです」

 シナリオ・センター代表取締役社長の小林幸恵(さちえ)さん(69)は「去年あたりからグッと受講生が増えている」と言う。これまではシナリオを書きたい人が多かったが、最近は2~3割、小説やゲームを書きたいという人がいるという。ジャンルが多種多様になってきているのだ。

「褒めて育てるがモットー。創作は否定されると止まる。創作って全員違うので、どんな下手な人でも絶対に何かがある」(小林さん)

 10連休でできることはあるか。

「『シナリオ日記』をお勧めします」(同)

 通常日記は一人称で書くが、シナリオ形式の三人称で書く。自分の行動を客観視することができ、理解できない相手の行動も分析できる。以前丸の内で働く女性向けのシナリオ講座で、受講生にシナリオ日記を書いてもらった。この部長にはこういう言い方がいいなど、職場での人間関係の改善に大いに役立つという。もちろんキャラクターを作る上での参考にもなり、シナリオを書く訓練にもなる。

「すべては人間関係です。相手のことを考えようと簡単にいわれますが、考え方は教えてくれない。客観的に見るテクニックを誰も持っていない。台詞のやりとりだけでも書いてみるとそこが見えてきます」(同)

(編集部・小柳暁子)

AERA 2019年4月15日号より抜粋