サカナクション・山口一郎が語る ミュージシャンとビジネスの新しい関係 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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サカナクション・山口一郎が語る ミュージシャンとビジネスの新しい関係

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松永良平AERA
写真:横山マサト

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 新作「834.194」を発表するサカナクション。約6年ぶりのオリジナルアルバムは、音楽をめぐる環境が激変する現在に一石を投じる新しさを持つのか。ボーカルの山口一郎に聞いた。

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 サカナクションは2010年代に日本の音楽シーンを牽引し、アップデートしてきた最重要バンドのひとつだ。

 だが、13年リリースの6作目のアルバム「sakanaction」以降、シングル曲やベスト盤の発売、映画のサウンドトラック制作などはあったものの、6月にリリース予定の新作「834.194」までオリジナルアルバムとしては6年もの時間が経過している。

 バンドのボーカル/ギタリストであり、すべての作詞作曲を手がける山口一郎にとって、6年という時間は、インターネットや技術革新によってさまざまな局面で激変してゆく現代社会において、自分たちの音楽を作り続けるために必要なシステムの作り方を考える時間でもあった。発表した作品を聴き手がCDや配信で購入するという従来のやり方だけではないアップデートを試すことで、「美しくて難しいものに興味を持つ時代が来てほしいと思ってる」と語った。

──近くリリース予定の新作「834.194」が、約6年ぶりのオリジナルアルバムという事実に驚いています。この6年で音楽のあり方もずいぶん変わりましたよね。

山口一郎:僕は、ひょっとしたら今回のアルバムがサカナクションのラストアルバムになるんじゃないかというくらいの気持ちなんです。シングルを出して、タイアップをつけて、アルバムにして、ツアーをして、といったルーティンが当たり前だったのは、たぶん、僕らの世代が最後なんじゃないかな。「そのシステムに乗ってることがダサい」って言われる時代が、もうすぐ来ると思うんです。

──その葛藤がこの期間を必要としたという面もありますか。

山口:音楽の新しい作り方を発明するという部分で、これだけの時間がかかったというのもあります。レコーディングのシステムも6年前とは大きく変わりましたよね。僕らも、この間にメンバーに子どもができたり、年齢を重ねたり、クリエイティブの方法が変わった。


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