しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUEしいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
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 AERAの新連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:4月の人事異動で、仕事のできない上司が異動してきます。バブル世代でエネルギーがあり余っているパワハラ体質の女性。価値観も違い、共感も尊敬も
できません。こんな人が自分より給料をもらっているかと思うと、困ったときに助けてあげようという気にもなれない。チームとして仕事をやっていける気がしません。(女性/会社員/41歳/ふたご座)

A:はじめまして、しいたけ.といいます。おやつでも食べるついでにふらっと立ち寄る、そんなお悩み相談の場所としてみなさんのお話を伺っていけるといいなと思います。

 最初の相談。パワハラ上司について。僕も昔、バブル世代の人と戦おうとしたことがありました。でもそもそもスタミナが違います。3ラウンドで僕が力尽きるとすると、彼らは90ラウンドぐらいこなす。だから勝てないです。

 僕はこの世代の方に「不死鳥」ってニックネームをつけてるんです。理不尽も含めて、戦って身につけてきたタフさが違うからすごいんです。

 それでまず言いたいのが、この人を恨んじゃいけないってこと。やっぱり世代によっての性質っていうのがあって、バブルって、パワフルじゃないと人が生きていけなかった時代だと思うのです。

 この相談者さんが苦しいのはきっと、品のなさを求められているから。人をおしのけてまで勝つという品のなさ。ふたご座って、結構戦っちゃうところがあって、「前言ったことと矛盾してますよね」って相手の隙を見つけるのが得意。いいところでもあるんだけど、不死鳥と同じ土俵で戦う必要はありません。こういう人には「使えねー」と思われるぐらいでいい。ただ、不死鳥たちは戦いがコミュニケーション。たまに勇気を出してぶつかることも必要です。

 
 力がある人って、目の前にいる人を否定してくることがあります。「そんなだからあなたはあの案件をとり逃した。私だったらもっとできた」と。相手を否定することで、自分がやってきたことは正しいと叫びたい。

 嫌いな人を見るときに気をつけてほしいことがあります。それは自罰的にならないこと。自分がやったことを都合よく忘れたり、電車のなかで大きく足を広げたりしてる人がいるとします。明らかにその人が悪いというケースでも、自分が弱っていると、「私も横暴になったほうがいいのかな」とか「私は人がよすぎてルールを守ってきたから損してるのかな」って自分を責めがち。自分の生き方を否定しないようにしてください。

 4月はみんなが上司との関係に悩む時期です。新入社員の方たちも、上司が怖いと思ったら不安でたまらないと思います。そんなとき、苦手な人にニックネームつけるの、おすすめします。キャラとして接する。「またなんかあの不死鳥騒いでるよ。キャラだからしょうがないか」って。自分の精神的余裕を2%でも保てると、相手と距離が取れて、状況は変わります。

AERA 2019年4月8日号

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しいたけ.

しいたけ.

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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