米国を再び偉大に!(AERA 2019年4月1日号より)
米国を再び偉大に!(AERA 2019年4月1日号より)
道徳的な選択を!(AERA 2019年4月1日号より)
道徳的な選択を!(AERA 2019年4月1日号より)

 米大統領選を来年に控え、アカデミー賞・グラミー賞の授賞式など注目の場で多くのセレブたちが意見を表明した。トランプ大統領がメキシコ国境の壁建設に向けて国家非常事態をも宣言する中、アカデミー賞監督賞に輝いた「ROMA/ローマ」のアルフォンソ・キュアロン監督は、作品を通し何を伝えたのか? 分断される米国の現状を追った。

【トランプ不支持者はこちら】

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 移民は脅威なのか、仲間なのか……。

 米社会が大きく分断されるなかで、メキシコの家庭で働く家政婦の姿を静謐(せいひつ)に描くキュアロンの絵づくりは、新鮮だ。

 キュアロンは、

「権利も与えられないまま、世界の家庭で働く7千万人の労働者のうちの一人である、先住民の女性の映画を認めてくれたアカデミーに感謝したい」

 と、授賞式の壇上で話した。弱い立場で働く世界中の人々に目を向けてほしいというメッセージだった。

 米セレブの世界は反トランプの発言が目立つが、一色に染まっているわけではない。

 アカデミー賞授賞式の2週間前に米ロサンゼルスで開かれたグラミー賞授賞式で目立ったのは、歌手ジョイ・ヴィラの衣装だった。ヴィラは、国境の壁で使われる有刺鉄線の材料を使った衣装を身につけ、手にはトランプのメッセージでおなじみの「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン(米国を再び偉大にしよう)」のバッグ。米記者に、

「これが私が信じていることよ」

 と語ったという。

 トランプ支持者としてより有名なのは、ラッパーのカニエ・ウェストだ。昨年10月、やはり「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」と書かれた帽子をかぶってホワイトハウスの大統領執務室を訪れ、トランプと会談した。

 共和党支持者として有名なのは俳優クリント・イーストウッドだ。

 最近は政治的な発言はそれほど目立たないが、米大統領選直前の16年8月には米誌に、

「彼(トランプの考え)がどこから来ているのかは理解できる」

 などと、民主党候補のヒラリー・クリントンではなく、トランプを支持する考えを語った。

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