「恋人とベッドに入るときに似てる」　ラッパー・Zeebraのそら豆論

　ヒップホップ・アクティビストのZeebraさんが「AERA」で連載する「多彩な野菜」をお届けします。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続け、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ているZeebraさん。旬の野菜を切り口に、友人や家族との交流、音楽作りなど様々なエピソードを語ります。

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　そら豆って、さやが大きくてふかふかしていて。さやごと焼くとちょうど上手に豆が蒸し上がって、一番うまいんです。ある意味、最高の調理器具と一緒に育ってるという。しかも豆のおしりの黒いところ、お菓子のフィルムの「ここから」って書いてある部分に見えちゃって。どうしてもあそこから皮をむいて食べちゃいます。食べられるために生まれてきた、っていう感じがして、食卓にあると「うはっ」とうれしくなります。

　皮をむいてお料理に入れると、どうしても二つに分かれちゃうのが残念で。ずっと一緒だったのに、最後まで寄り添えない。熟年離婚かよ、みたいな。やっぱり皮をむいてすぐ食べるのが一番です。面倒くさいんですけどね。あんなに大きなさやに三つぐらいしか入ってなくて。さやむいて、皮むいて。でもそれがいい。追い求める楽しさといいますか。こんなことを言うと叱られそうだけど、恋人とベッドに入るときに似てるんです。すっぽんぽんで何もかもさらけ出されても……。最終的には同じでも、その過程が楽しいってこと、あるじゃないですか。

※AERA　2019年4月1日号

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Zeebra

Zeebra（ジブラ）／東京を代表するヒップホップ・アクティビスト。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続ける行動力は他に類を見ない存在で、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ている。

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