記者は朝食を食べないことで、生活自体も変わった。

 忙しい朝に、時間の余裕ができたことは最も大きなメリットだ。子どもの朝食準備、部屋の片づけ、食器の片づけなどをしてから自分の身支度をしても、保育園への送りと出勤時間には十分に間に合う。早い時間から仕事に取りかかれるので、昼前には一段落つける。そのため、前日の夕食が早めだった日はまだランチで混み合う前の11時半くらいに昼食をとれ、人気店にも並ばずに入れる。

 断食で嗅覚と味覚が鋭敏になっているので、何より食事が数倍おいしく感じられる。そして、胃が適正な大きさに修復されているので、少量でも満腹感が得られる。ラーメン店などで「大盛りも無料ですよ」と勧められても「いや、普通で」と平然と言ってのけられるようになったのは、大きな進歩だ。

 お昼休みが決まっていない職場の人なら、昼食をできるだけ遅くとるのも有効だ。すぐに夕食の時間が迫ってくるので、食べる量が少なくて済む。食事をとっていい時間の「枠」だけ守れば、あとは弾力的に運用できるので、自分の生活ペースに合わせやすい。これも大きな利点だろう。

 また、記者は旅行などで朝食自体が「イベント」となるときは、適量を食べるようにしている。久しぶりに食べる朝食はそれだけで思い出となるし、1日くらいなら、昼食で調整すれば問題ない。何よりストレスをためない方が長続きするからだ。(編集部・作田裕史)

AERA 2019年4月1日号より抜粋