「私はどこにいてもちょっとアウトサイダーのような面を持っていて」

 天皇退位や20年東京五輪・パラリンピックなど、国家的・歴史的大イベントを控える現代日本の時代状況が、赤坂さんの目にはどう映るのか。

「歴史があって物語があるのではなく、物語が歴史を動かしています。『近代天皇制』は、まさに国を創り動かすための物語でした。しかしそれが国民の心身に大きな傷をつくったり、物語自体硬直したら、新しくしてゆく議論をすべきだと思います。物語はつねに更新していかないと、硬直します」

(編集部・小柳暁子)

■書店員さんオススメの一冊

『東京パパ友ラブストーリー』は、パパ友同士の禁断の恋を描いた物語だ。三省堂書店の新井見枝香さんは、同著の魅力を次のように寄せる。

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 議員の妻を支えるべく、家庭に入って子育てをする明人と、家のことは専業主婦の妻に任せっきりの豪が、保育園で出会い、激しい恋に墜ちる禁断のラブストーリーだ。同性同士とはいえ体の関係があれば立派な不倫であり、心まで奪われているなら、もっと厄介になる。

 その関係が明るみに出れば、社会的知名度のある妻は特大のスキャンダルに巻きこまれるだろう。そして夫がおっさんとの恋におぼれていると知った、プライド高き美人妻の屈辱と怒りは計り知れない。

 妻たちの目を盗み、止めどなく燃え上がるふたりに忍び寄る影。破滅の瞬間は確実に近づいてきている。不倫の代償は大きい。それが、パパ友を装った不倫なら、なおさらだ。

 だが、大きな声では言えないけれど、ほんの少しだけ明人と豪がうらやましい。

AERA 2019年3月25日号