ほかにも首都圏では公営の樹木葬による埋葬が増えている。

 埼玉県越生(おごせ)町では今年5月、墓石の代わりにツツジを植える公営樹木葬墓苑「五大尊花木墓苑」を開設する。高台から関東平野を一望できるという墓苑には、合祀する樹林葬と個別に埋葬する樹木葬があり、町民は合祀の樹林葬が5万円、個別は1区画15万円で利用できる。町民以外でもふるさと納税で1万円以上納め、「越生町ふるさと住民票」を取得すれば申し込め、使用料は合祀が10万円、個別が1区画30万円。2月末に行われた見学会には、503人もの人が訪れ、そのうち約7割は町外からだったという。

 都心の霊園の樹木葬を選ぶ人もいる。FPの畠中雅子さんは、夫の親の墓が埼玉県の公営墓地にある一方、自身は都心にある実家近くの寺院の樹木葬墓地を選びたいという。

「私は都会が好きなのでなじみのある場所を中心に探しました。五つぐらい見学したなかから、お寺のなかは緑に囲まれていて、墓碑の下に骨壺ごと埋葬されるタイプを希望しました。使用料は約100万円で、十三回忌をすぎたら合祀されるタイプ。子どもたちの管理も楽なので、これに決めようと思います」(畠中さん)

(ライター・村田くみ)

週刊朝日  2019年3月25日号