<僕はここにいるよ ずっとそばにいるよ 神様がいなくても 楽園じゃなくても>(「天国かもしれない」)
聴く人の目がいつの間にか潤むのは、シンプルな言葉がダイレクトに胸に響くからだろう。
猫の姿は子ども受けがよさそうに見えるが、沖縄の小さなライブハウスで初ステージを踏んだとき、「エモい」と反応したのは、大人たちだった。エモいとは、Emotionalに由来する、感情をゆさぶられた状態を表す造語だ。
評判は徐々に広がり、ライブのオファーは増え続け、2017年には猫界でははじめて、フジロックフェスティバルに出演している。ファーストアルバムのタイトルにもなった「天国かもしれない」は、沖縄のローソンのCMソングにもなった。
いよいよ3月20日、ニューアルバム「君に会いに」でメジャーデビューする。
「むぎは、優しく育ててもらいました。だから、優しい気持ちをみんなに届けたい。みんなが喜んでくれるなら、みんなに会いにどこにでも行きたいな」
むぎ(猫)の音楽を巡る冒険は、まだ始まったばかりだ。(編集部・熊澤志保)
※AERA 2019年3月25日号