「アイデアベースで評価されるものが多く、ここまで実現可能性を強く意識したのは初めてです。こんな方法を取れば何万人にアプローチできるというのは考えられるけれど、それに対するコストや、何人が実際に買ってくれるのかという推計がとても難しく、勉強になりました」

 京都大学チームの4人は、就活を意識しての参加ではないと口をそろえる。それでも、進路を考えるうえでのひとつの気づきになった。

「プレゼン後のフィードバックでは厳しい意見も多く、新鮮でした。将来の進路はマーケティングに決めていたわけではないけれど、やっぱりマーケティングは面白いと改めて実感しました」(山東さん)

 就職活動という枠を超え、学生たちは将来を見据えて動き出している。(編集部・川口穣)

AERA 2019年3月25日号

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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