ニュースを英語で深掘り(AERA 2019年3月18日号より)
ニュースを英語で深掘り(AERA 2019年3月18日号より)

 ニュースをわかるようになりたいなら、ニュースを素材にして学習するのがいちばん手っ取り早い。ニュース英語を使った学習に詳しい専門家として、The Japan Times Alpha編集長の高橋敏之さん、CNN English Express編集長の竹内佑介さん、東京工業大学非常勤講師で、英日で記事を書いているジャーナリストの原賀真紀子さんの3人にそのハウツーを聞いた。

 ニュース英語で学ぶことのメリットとして、3人が声をそろえるのは、なにより素材の魅力だ。いま起きていることが知れて、英語だけでなく知識がつく。そのリアリティーは、教科書やTOEICの世界とはまるで異なる。おもしろいからこそ、続けられる。

 The Japan Times Alphaは週1回発行されている英語学習者のための英字新聞だ。読んでみたいと思う記事をいかに載せられるか、毎号力を注いでいるという。

「例えば少し前の号では『女性の脳年齢、男性より若い?』というサイエンス記事を載せました。こうした小ネタも交ぜるようにしています」(高橋さん)

 原賀さんが薦めるのはVOA Learning Englishだ。

 VOA(ボイス・オブ・アメリカ)は米国営放送で、Learning Englishは英語学習者向けに平易な語彙と文法を用いて、アナウンサーの話すスピードもゆっくり。無料で、ウェブのほかユーチューブもある。

「いきなりニューヨーク・タイムズやフィナンシャル・タイムズなどの英字新聞に挑戦する人がいますが、英語は高度です。記事が長くて挫折してしまう人も多い。読み切れるもの、聞き取れるもので成功体験を積み重ねていきましょう」(原賀さん)

 CNN English Expressは、CDつきの月刊誌。ニュース専門チャンネルCNNのニュースから学習用に素材を厳選する。

「まずはおもしろいもの、という基準で掲載するニュースを選びます。日本では報じられていないニュースはたくさんある。日本語だと日本のメディアから見たプライオリティーで報じられますから、同じニュースでも海外では切り込み方が違う場合もあります」(竹内さん)

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