「ピンクのハム」がランクイン? イギリスで「今年の言葉」候補に選ばれた単語とは… (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「ピンクのハム」がランクイン? イギリスで「今年の言葉」候補に選ばれた単語とは…

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鈴木あずきAERA
イラスト:土井ラブ平

イラスト:土井ラブ平

 toxicが選ばれたのは本来の用法を超えて、雰囲気の悪い職場や政治、人間関係を表す形容詞としても多用されるようになっているからであり、weaponizeのほうは「あらゆる言葉や思想、フレーズがあっという間に政治的な罵倒合戦の中で攻撃のために武器として使われる分断の時代」を象徴しているからという。

 このほかにもコリンズやメリアムウェブスターなど各辞書が選出した今年の言葉や候補リストにはgaslighting(人をだます)、ナショナリズムなどどことなく平和とはいえない言葉が並ぶ。

 なかでも、え、これを選んじゃうの?と驚かされた「今年の言葉候補」のひとつがgammon。ギャモンと読み、もとはイギリス英語でハム肉のこと。EU(欧州連合)離脱をめぐるテレビ討論の中で、離脱を叫ぶ保守派白人中高年男性がどれもこれも顔を真っ赤にして自説をまくしたてるものだから、残留派が「何、この人たち、ピンクのハムみたい!」と揶揄してギャモンと呼ぶようになった。

 逆に保守層がリベラルなミレニアル世代をケナす呼び名がsnowflakes。雪片・雪の結晶を意味するスノーフレークから「雪片のように大事に育てられたお坊ちゃん・お嬢ちゃん」のようなニュアンスがある。#MeToo運動に並行して、昨今のSNSではやるwhitewash(白人が非白人を演じる慣行)たたきやcultural appropriation(文化の盗用)について、「こんなのはPolitical correctness gone mad(ポリコレの行き過ぎ)だ。性差だの人種だのに神経質すぎるんだ、おまえらsnowflakesは!」と憤る保守おじさんが目に浮かぶようだ。だが怒ったところで返ってくる言葉は「white male privilege(白人男性の特権)がなくなるのが怖いからでしょ!」

 こうした対立のとげとげしさ、毒々しさがまさにtoxicなのである。


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