小学校の「プログラミング教育」と「調理実習」の意外な関係 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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小学校の「プログラミング教育」と「調理実習」の意外な関係

連載「61歳の新入社員 元校長のプログラミング教育奮闘記」

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福田晴一(ふくだ・はるかず)/昭和31(1956)年、東京都生まれ。みんなのコード学校教育支援部主任講師、元杉並区立天沼小学校校長。約40年の教員生活を経て、2018年4月NPO法人「みんなのコード」に入社。61歳で新入社員となる。2020年度からの小学校におけるプログラミング教育必修化に向け、指導教員を養成すべく、全国を東奔西走中

福田晴一(ふくだ・はるかず)/昭和31(1956)年、東京都生まれ。みんなのコード学校教育支援部主任講師、元杉並区立天沼小学校校長。約40年の教員生活を経て、2018年4月NPO法人「みんなのコード」に入社。61歳で新入社員となる。2020年度からの小学校におけるプログラミング教育必修化に向け、指導教員を養成すべく、全国を東奔西走中

ドローンでの宅配の様子(「ソサエティ5.0」の動画から)※動画の視聴は下記リンクをクリックしてくださいhttps://www.gov-online.go.jp/cam/s5/

ドローンでの宅配の様子(「ソサエティ5.0」の動画から)※動画の視聴は下記リンクをクリックしてください
https://www.gov-online.go.jp/cam/s5/

 そこで、これからやってくる、「Society 5.0(ソサエティ5.0)」と名付けられた「超スマート社会」とはどんなものかイメージしてもらうため、政府広報オンラインのPR動画を視聴してもらう。

 ドローンがモノを運び、遠隔医療に支えられ、キャッシュレスのコンビニ、自動運転のシャトルバス……と言った、1分30秒の動画に参加者の視線が吸い込まれていく。無言に見入る人、そうそう、と頷く人……。

 子どもたちが社会に出る時は、当然のこのような社会になっていることは参加された先生方誰もが納得し、疑う余地が無い。

 こういう時代に生きる子どもたちに必要な資質・能力、リテラシー何かと問うと、自ずと現状の教育内容が適切かどうか、先生の脳裏には疑問が湧いてくる。私も一言、「どうですか。漢字の止め、はらいの問題と比較したら……」とつぶやいてみる。

 社会が急速に変化しているのに学校教育は変わらなくて良いのか。学校とは、社会の要請に応える人材を輩出する使命があるのに、現状はどうか、と切り込むと、多くの先生はプログラミング教育導入の背景が理解される。

 私は、そこでもう1つの話をする。それは、家庭科の「調理実習」である。いまでは当たり前のように全国の小学校で男女一緒に行われている「調理実習」だが、実はこれは昭和33年の学習指導要領に盛り込まれた内容だ。なぜこの時代に「調理実習」だったのか。その目的は、これから迎える高度経済成長期、男性も家庭での役割を最低限でも担う意味から導入されたわけで、決して調理師を目さす職業教育ではない。言い換えれば、これから迎える夫婦共働きの時代(世代)を予測して、その時代に必要な資質・能力、リテラシーの一つが「調理実習」であったのだ。

 この話は今の時代にも置き換えられる。「プログラミング教育=プログラマーの育成」ではない。正にスマート社会と言われるSOCITY5.0に生きるための資質・能力、リテラシーが「プログラミング」ではないか。

 このように徐々にプログラミング教育の必要性が理解されてくると、先生方の目に輝きが感じられるようになる。

 小学校の先生は大変に真面目な性格であり「教育委員会で決まったから……」という力技の導入でも、形通りに取り組まれる先生が多い。しかし何故、この多忙な学校教育の中に導入されたのか。その背景が理解されれば、創造豊かで工夫された授業を展開してくれるだろう。研修会も同様で、背景が理解されると、後半の研修会に臨む姿勢は打って変わる。


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福田晴一

福田晴一(ふくだ・はるかず)/昭和31(1956)年、東京都生まれ。みんなのコード学校教育支援部主任講師、元杉並区立天沼小学校校長。約40年の教員生活を経て、2018年4月NPO法人「みんなのコード」に入社。61歳で新入社員となる。2020年度からの小学校におけるプログラミング教育必修化に向け、指導教員を養成すべく、全国を東奔西走中

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