──小説を書くという経験はバンドにどう影響を与えましたか。

Saori:バンドのときは全てを私がやるということは不可能で、4人でステージに立ってようやくお客さんに届くんですね。全てチームでやってきたことだと思うし、特にNakajinとFukaseがクリエーティブな面で担っていることはすごく大きい。小説ではずっと自分が全ての決定をしなければならないので、2人が背負ってきたプレッシャーや気持ちをはっきり感じました。

──Fukaseさんはこの4年の変化を、どのように感じていますか。

Fukase:今はみんなそれぞれに家庭ができ、活動する場所としては残っているんですが、以前のようにシェアハウスで一緒に生活しているわけではありません。そうなったらダメになっちゃうんじゃないかという不安もありましたが、全然大丈夫でした。僕らはもともと4人で一緒にライブハウスをつくるところから活動が始まっていて、その後に一軒家を借りて一緒に暮らしてきたんですが、そうやって培ったチームワークがしっかりできていた。今も毎日仕事で一緒にいるし、お金で揉めることもないし、クリエーターが3人いたら方向性の違いで解散しそうになりそうなものですが(笑)、それもない。昔の方がつらかったような気がする。

Saori:昔の方が物事がうまくいかないことが多かったからね。そもそもどうしていいかわからないことも多かったし。

Fukase:そういう感じで、思ったよりもすごくうまくやっていると思います。今日もラーメンを4人で食べてきました(笑)。

DJ LOVE:他のバンドを見ても、ウチは本当に仲がいいんだなって思います。

Nakajin:僕も結婚して自分の家庭を持つことで、前よりも引いた視点からバンドを見ることも増えて、そういう中で自分に何ができるかを考えるようになりました。Saoriちゃんのお子さんがアルバム制作やライブの現場によく来るようになったのも大きいですね。もちろんSaoriちゃんの子どもだけれど、バンドのみんなの子どもみたいな感じで思っていて。

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