もう一つは、若い女性たちの多くが、働き続けることを前提に若いうちからキャリアプランを持っている、ということだ。

「20代のうちに子どもを持ちたいのだけれど、どうですか? 30代はどう生きたらいいですか?といった相談をよく受けます。25歳くらいまでには、将来を具体的に描いているように見えます」(舩木さん)

 若い頃からキャリアプランを持つという傾向は、近年、教育現場でも重要視されるようになっている。

 東京都品川区の品川女子学院はライフデザイン教育の先進校として知られている。高校2年生の家庭科の授業を覗くと、助産師の小笠原千恵さんが生徒の質問に答え、出産経験者の話を聞いた後、グループに分かれ「子どもを産むか産まないかは、誰が決めるのか」をテーマに話し合っていた。

 生徒からは「いちばん大変な思いをする女性が決定権を持つべき」「パートナーとよく話し合って決めたい」などの意見が出された。

「答えを求めているわけではありません。出産をテーマに、将来の自分を考えるきっかけにしてほしい」(小笠原さん)

 同校のライフデザイン教育の柱が、28歳になったときに社会で活躍する女性の育成を目指す「28プロジェクト」だ。大学を卒業し、社会人の自分を想定したプログラムを多く実践。例えば中学3年生では企業とコラボし商品開発を行う。高校1、2年生はクラス単位で「起業体験プログラム」にも取り組む。

 プログラムでは、実際の起業のやり方に沿って会社登記など、株式会社を設立する手順を学ぶ。社長、会計など役割分担を決め、事業計画を立案。保護者や協力企業担当者に向けて、資金獲得のプレゼンテーションを行い、文化祭で商品化した品物を販売する。生徒たちはこれらの体験をすることで、社会で活躍するイメージを具体的にもつことができる。

 また、女性リーダー育成の一環として、課題解決型の授業CBL(Challenge Based Learning)も行っている。身近な課題を見つけ、グループで話し合い解決策を探る。

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