3月8日は国際女性デー。いまだに女性差別を実感するニュースは後を絶たない。性差にとらわれず「自分らしく生きる」ことを改めて考えた。
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2017年にSNS上でのコミュニケーションサービスを手掛ける「プールサイド」を起業した関口舞さん(28)は、自分自身が「女の子だから」という呪縛に過剰にとらわれてきたのかもしれないと感じている。
「関口さんって気が弱そうだけれど、起業って大変ですよ。大丈夫ですか」
新卒で入社した会社を半年で辞め、一つ目の会社を起業し、初めて資金調達をしたときのこと。ある投資家にそう声をかけられた。先輩起業家に「繊細そうだね」と言われたこともある。
「悔しかったし、見た目で判断された、と思いました。『起業家』という軸だと私は不安に思われるのか、と思った」(関口さん)
その頃から、なるべくスカートをはかないようにした。しっかりとした人に見られるよう、できるだけ強そうなパンツスーツで。メイクも控えめにした。
「20代前半だったこともあり、見た目や年齢、性別でバカにされるのではないか、と必要以上に構えていたように思います。『起業家は女っぽい感じでは認めてもらえない』という先入観に私自身がとらわれていました」(同)
変われたのは、必死に仕事をするうちに、自身が手掛けるサービスは、常に人の気持ちを考えている自分だからこそ生まれたものだと気づけたから。強く見せようと違う自分を演出する必要はないとわかった。
PRの観点から主にスタートアップを支援する「シプード」共同代表の舩木真由美さん(40)は仕事柄、多くの女性起業家と関わってきた。日本の女性たちのなかにある変化を感じている。
一つは、良い意味で女性が貪欲になっている、ということ。「家族や子どものために」が先に出て自分の意思は後回しという傾向がかつては見られたが、「自分のために」という考えが顕著になっているという。ネットなどを通して、世界中のロールモデルを探せるようになり、“世界基準”の女性の活躍が身近になっていることも大きいと分析する。