アートとは関係ないけど、へー。

 海岸近くにある休校中の小学校の中庭に展示した作品、「女根/めこん」(大竹伸朗)をお目当てに訪れる人も多いこの島だが、今年の芸術祭ではこの近くの旅館で「『島の中の小さなお店』プロジェクト」と呼ばれる新規展示が予定されている。女木島の作品でおなじみのアルゼンチン生まれの作家レアンドロ・エルリッヒや、今回初参加の宮永愛子らが、思い思いの「小さなお店」を展開する作品だという。

 港に戻ると、たくさんのたちが出迎えてくれた。以前、瀬戸内海の猫島といえば、「人口より猫の頭数の方が多い」といわれていたお隣の男木島。ただし、猫の頭数がこれ以上増えないようにと、16年に獣医師団が来島して、すべての猫に一斉に避妊手術をおこなったという。

 そんな男木島だが、今も猫スポットに行けば、猫たちが道の真ん中でゴロゴロのびたり、草むらに丸くなって座っていたりするほのぼの風景を楽しむことができる。

 一方、女木島の猫は、どこか野生児で、人慣れもいまひとつ。避妊手術などの手当てをしていない増え放題の非公認猫だからというのもあるのだろう。

「猫が増えすぎて、みんな困ってるんだよ」

 と耳打ちしてくれた島民もいたことだし、ここだけの話なのだが、ツウの猫好きにはたまらない、知る人ぞ知る猫島として覚えておくといいかもしれない。(ライター・福光恵)

AERA 2019年3月11日号より抜粋