衝撃の「生焼け事件」 ネットに残るペット葬儀の悪徳業者伝説 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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衝撃の「生焼け事件」 ネットに残るペット葬儀の悪徳業者伝説

熊澤志保AERA#動物
男性が訪問葬儀を利用するのは2回目。14歳で旅立ったチワワのみゅんを実家の母親と送った。火葬の間中、男性は「そばにいてあげたい」と見守っていた(撮影/今村拓馬)

男性が訪問葬儀を利用するのは2回目。14歳で旅立ったチワワのみゅんを実家の母親と送った。火葬の間中、男性は「そばにいてあげたい」と見守っていた(撮影/今村拓馬)

キャットPaPaのある常福寺(東京都世田谷区)の境内には、動物納骨堂「佛性苑」がある。写真は、個別の納骨スペース(撮影/今村拓馬)

キャットPaPaのある常福寺(東京都世田谷区)の境内には、動物納骨堂「佛性苑」がある。写真は、個別の納骨スペース(撮影/今村拓馬)

仏像の下の合同墓に納骨する合同埋葬プランもある(撮影/今村拓馬)

仏像の下の合同墓に納骨する合同埋葬プランもある(撮影/今村拓馬)

 ただし、訪問葬儀には課題もある。ペット関連の法律に詳しい細川敦史弁護士はこう言う。

「迷惑施設としてのペット火葬場の設置規制を定める自治体は増えていますが、訪問葬儀にはこうした条例の規制が及ばない。ペット葬祭業者を規制する法律もなく、いい業者にあたれば問題はないが、問題事案が起こる可能性はあると思います」

 火葬炉の安全面はどうか。ペット火葬炉や移動火葬車の製造・販売を行う業界大手、サントイ社長の藤井伴明さんは、現状をこう語る。

「焼却に関して、大気汚染防止法、ダイオキシン類対策特別措置法、廃棄物の処理および清掃に関する法律の三つがありますが、この基準をクリアする火葬炉を製造しています」

 現在、固定炉と移動炉の出荷台数はほぼ半々。基本設計は同じだ。悪臭や粉塵が舞うという事態は起こりうるのか?

「適正な火葬を行えば、悪臭や粉塵といった問題はあり得ません。ペットの個体に合わせて空気量や火力を調整し、不完全燃焼を起こさないようにするのは、葬儀社側の技量です」(藤井さん)

 同社では、販売する移動火葬車について1泊2日の無料研修を設け、販売後も1年ごとのメンテナンスを推奨している。

 18年設立の関東ペット火葬協会では、ペット葬儀、訪問葬儀の質を高めるべく、安全面の徹底や地域ごとの条例等について研修や情報共有を行っている。さまざまなタイプの火葬車を集めた勉強会も予定している。

 こうした動きの背景にあるのは、「ペットを弔いたい」という飼い主側のニーズだ。訪問葬儀を手がけるジャパン動物メモリアル社代表の根本学さんは言う。

「以前は亡きがらを雑に扱われた、葬儀社のスタッフがジャージでやってきた、と嘆く飼い主さんの話をよく聞きました。ペット葬儀は『火葬して終わり』ではなく、いいお別れのお手伝いが求められていると思います」

 同社では無料で末期の水や念珠といったセレモニーやグッズを用意するほか、スタッフは日本動物葬儀霊園協会が認定する「動物葬祭ディレクター1級」を取得している。


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