そこで睡眠に関する定期セミナーを開いたり、仮眠についての実証実験を行った。実験では参加者12人が前半2週間は仮眠せず、後半2週間は毎日30分間の仮眠を取って、午前と午後の集中度をタイピングテストなどで比較。集中度を測る眼鏡型デバイス「JINS MEME」で客観的なデータも取った。

 結果は「仮眠なし」より「仮眠あり」のほうが午後の集中度のスコアがぐんとアップ。アンケートでも3分の2が「仮眠で生産性が向上した」と回答した。

「仮眠の効果を『見える化』したこと。さらに実際使った人の口コミ効果で社内の意識が変わりました」(同)

 勉強や仕事のためには多少睡眠を犠牲にするのは仕方がない──。まだまだこうした精神論は根強いが、その考え方こそが生産性を下げているのだ。今こそ、個人も会社も「睡眠改革」に取り組もうじゃないか。(編集部・石臥薫子)

AERA 2019年3月4日号より抜粋