歳末商戦でつまずいた米アップル 次の一手も他社の「後追い」

尾形聡彦AERA
iPhoneはどうなる?(AERA 2019年3月4日号より)
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iPhoneはどうなる?(AERA ...

 米アップルが、昨年の歳末商戦でつまずいた。頼みにするiPhoneが不振だったからだ。年明けには、昨年10~12月期の売上高予想を、前年同期比5%減の840億ドル(約9兆円)になる見込みだと下方修正、株式市場を「アップル・ショック」が襲った。創業者ジョブズの後継者たちは「次の一手」に後追いの動画配信サービスを据える。

【図表で見る】iPhoneはどうなる?

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 iPhoneはアップル創業者の故ジョブズが07年に発表して以来、右肩上がりで販売を伸ばしてきた。

 歳末商戦はアップルにとって、年間で最も重要な四半期だ。その時期にiPhoneは大きく貢献した。07年10~12月期は2・4億ドルだった販売高が、17年10~12月期には250倍超の611億ドルとなり、同社の売上高の7割を支える大黒柱になった=グラフ。

 それが、18年の歳末商戦で、初めて前年を下回る結果になった。特に前年比15%減は、アップルにとって重い。

「iPhone不振」の予兆はあった。

 昨年10月末、アップルがタブレット端末「iPad・プロ」の新製品を米ニューヨークで発表したときのことだ。

 現最高経営責任者(CEO)のティム・クックは、iPadが10年の発売以来、4億台以上売れたと語り、「iPadは1番人気のタブレットであるだけでなく、1番人気のコンピューターでもあるのです」と、売り込みに余念がなかった。

 そのスピーチのあと。私がデモ会場でさまざまな新機種を触り、機能を確かめていたとき、アップルのスタッフから「少し下がってください」と求められた。目の前に、だれも触っていないiPad・プロが2台あり手にとろうとすると、「やめてください」と再び制止された。

 何事かと思っていると、現れたのは、クックその人だった。

 クックは、iPad・プロを手にとり、スタッフと談笑しながらデモをしてみせた。取り囲んだ私たち記者団にも、笑顔を振りまく。もちろん、メディア向けの写真撮影の機会ではあるが、9月のiPhoneの新製品発表のときと比べ、会場にずっと長くとどまっているように思えた。

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