沖縄県石垣島出身のバンド、BEGINによる主題歌「君の歌はワルツ」が名曲だ。悲しみの果てにある静かな明るさをたたえた曲で、スタッフや出演者もバックの演奏に参加。安田自身もバックコーラスとトライアングルで参加している。

「デモ音源を聞いたのはクランクアップから1年以上後でしたが、できたら安田さんもバックで参加してくれないかというので、何があってもやらせてくれと。監督やプロデューサーが久しぶりに勢ぞろいして、マラカスを振ったりを全力でやって。エンドロールを見ながらこの曲を聞いて初めて完結する、腑に落ちるという作品になったと思います。撮影から1年以上経っていましたが、これでこの作品は終わった、と思えましたね」

 撮影現場には、ずっと穏やかな時間が流れていたという。

「それは作品にも漂っていると思います。時間をかけて一つひとつのシーンを撮影しましたが、時間をかける理由がわかる。お芝居を撮りたい、風景を撮りたい、物語を撮りたい。そういう現場でした。俳優として、とても贅沢な時間を過ごさせていただきました」

(編集部・小柳暁子)

AERA 2019年2月25日号