「こんなことしてなんになるの!?」とか疑問を力いっぱい叫ぶ若者がいるが、目の前のゲームを楽しめない、またはうまくできないことにいら立っている人間に「いいかい? これは将来のための勉強なんじゃないんだ、受験のためだけの勉強なんだよ」と説いても伝わらないし、また「将来何かしら勉強する時のためにキミは試されているんだよ」はもっと逆効果だろう。相手はそこから逃げる口実を探している。

 最後に、社会に出て感じたことを。

 例えば、推薦で私大の良い所に入ったような人間より、自力で国立大学に行った人間の方がバランスが良い。私大出身で受験をしてないような人はハッキリと“穴”があるので頼りがいがない。一方、自力国立は“勉強穴”を満遍なく埋めているので処理能力的にも信頼感がある。やっぱり自分なりの勉強法を持ってるのだなと思う。これは人間性の話ではない。あくまで勉強力の話である。

 ちなみに私は高校、大学ともに推薦である。

AERA 2019年2月25日号

著者プロフィールを見る
マキタスポーツ

マキタスポーツ

マキタスポーツ/1970年、山梨県生まれ。俳優、著述家、ミュージシャンなど多彩な顔を持つ。子供4人。スポーツ用品店だった実家の屋号を芸名に。著書に『すべてのJ-POPはパクリである。』ほか。映画「苦役列車」でブルーリボン賞新人賞受賞。近刊に『越境芸人』(東京ニュース通信社)。『決定版 一億総ツッコミ時代』(講談社文庫)発売中。

マキタスポーツの記事一覧はこちら