ハーフではなく「一人の人間として見て」 マルチルーツの日本人の葛藤 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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ハーフではなく「一人の人間として見て」 マルチルーツの日本人の葛藤

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葛西亜理沙AERA
原田布(ヌーシ、21)/グラフィックデザイナー、音楽プロデューサー/千葉県生まれ/千葉県在住(撮影/フォトグラファー・葛西亜理沙)

原田布(ヌーシ、21)/グラフィックデザイナー、音楽プロデューサー/千葉県生まれ/千葉県在住(撮影/フォトグラファー・葛西亜理沙)

 さまざまなルーツを持つ若者たち多様なルーツを持つ日本人が増えている。幼い頃から外見や習慣の違いなどで悩んできたという若者たち。だが、正面から自分の個性と向き合い、葛藤を乗り越えてきた彼らの姿は力強い。フォトグラファーの葛西亜理沙氏がレポートする。

【写真特集】多様なルーツを持つ若者たち

*  *  *
「僕ですか? ジャマイカ系中国系アメリカ系日本人です」

 ブラウンの肌。ウェーブのかかった髪。大きなヘッドホンを首にかけ、穏やかに話す原田布(ヌーシ=21)に出会ったのは2013年。多様なルーツを持つ人たちのポートレートのプロジェクト「Multiroots’Japanese(マルチルーツ ジャパニーズ)」を始めたばかりの頃だった。さまざまな価値観やバックグラウンドを持つ人たちのことをもっと知りたい、写真を通して日本に生きる彼らの理解を深められたらと思い、撮影を始めた。

 当時の彼は、まだあどけなさの残る高校2年生。ジャマイカ系中国系アメリカ人の母親と日本人の父親を持ち、日本で生まれ育った。ミュージシャンの父は家で日常的にジャマイカなどの外国音楽をかけ、家族でThanksgiving Day(感謝祭)を祝い、浮世絵が好きな母の影響でアートに興味を持ち始めるなど、さまざまな文化に触れて育ってきた。肌や髪質のことでいじめられたこともあったというが、白米に味噌汁が一番落ち着くと話してくれた。

 彼と出会い、考えていた以上に日本人の個々のルーツや背景が多様化しているのを実感した。

 プロジェクトを始めるきっかけとなったのは、米国での留学生活だ。サンフランシスコ州立大学の写真学科で学んだ01年から04年の20代前半、人種もセクシュアリティーも多様な人々に出会った。

 ルームメートは看護を学ぶために移住してきたフィリピン人女性と、アメリカ人のバイセクシュアルの女性だった。そのアメリカ人の友人から「同性の恋人ができた。打ち明けたのはアリサが初めて」と言われた時は、驚きはしたものの、すんなり受け入れられた。今も彼女とは親友だ。色々な人たちが当たり前のように入り交じっている。新しい価値観に触れ、世界が広がっていくのを実感した。


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